銘鳩:鳩王号 石田5万系

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石田五万系の基礎カップル
 石田五万系はまさしく石田幹夫氏が作り出した一連の血統である。
このゴールデンカップルのメス54‐12075 BP 細川栄次郎氏作は、おけさ号(3年連続700k優勝)の母親でもあり700k全国優勝の銘鳩253号の娘で母親はゴールデンスター×シルバースターであった。
広島県呉の鳩舎から入手した時には既に6~7歳になっていて、勢山の濃い近親によって作出されていた為、配合に困り京都の堀場氏に相談を持ち掛けた、選んでくれたのが61‐47710 BCで堀場氏作のオスが3万円、細川氏作のメスが2万円で合計5万円、これが五万系の名前の由来になったのだから聞いてみなければわからないものだ。

47710号は父親が舞鶴号直仔、母親は関口達雄氏が導入したボス号の孫という最高の交配だったが幹夫氏はこの鳩が好きになれなかったようだ。
ただ結果はすぐに出た。
1962年秋300k優勝、全姉妹が600k当日1羽帰り優勝、さらに300k優勝の直仔スターキングが1965年木造1000kで優勝、総理大臣杯を獲得。
だが幹夫氏は気に入らなった47710号を2年で手放すことに。

基礎カップルから生まれた1腹は弟の実男氏にももたらされた。
メスメスだったため1羽は友人に譲り、もう1羽はレースに使ったところ兄が優勝した600kで8位に入賞、兄弟鳩舎で全姉妹鳩が300k優勝、600k当日1羽優勝と8位に入ったのである。
8位に入った鳩は種に降ろされ草津姫号と名付けられる。

種鳩としての最初の結果は1965年に直仔の大潮号が郵政杯600kで中国・四国・九州地区当日総合優勝を飾る。

交配オスは並河靖鳩舎の有名なアイザクソン・オペル335310号並河Aライン源鳩の全兄にあたる父親は並河作のアイザクソン、母親は岩田誠三作4分の3オペル4分の1シオンで並河氏使翔で近畿700k優勝の成績を持っている。
次に1966年広島4連合と1支部合同で木造1000k参加172羽70羽帰還が大成功を収めた、実男氏は7羽帰還させた内の1羽、栗胡麻のオスを1967年余市1200k(大1回西日本GP)に送り込み分速639mで優勝(総合4位)に輝いたのが鳩王号である。
実距離1222kで前年に岩田考七氏の稚内キング号が打ち立てた1213kの最長距離記録を打ち破る快挙となった。
ゴールデンカップルから3代目にしての記録である、それにしても当時は細川氏・両岩田氏・並河氏の名前が出てこない快挙はなかったのではないだろうか。